top of page

ミーが教えてくれたこと

うさんくさいと感じるか、 共感するか その境目は・・・

実家の猫が行方不明になって1月以上。ポスティング、掲示、ビラまき、声かけと手を尽くしたものの、見つからず。心配で寂しい気持ちですが、ミーは自由になりたかったのかなとも思います。

あちこち探していると、面識もない猫好きの方たちが、私がまいたちらしをご自分でコピーして探してくださるなど、思わぬ助っ人の登場に驚くことがありました。ふだんから猫を保護している方たちの猫愛は熱く、ミーのことをまるで我が子のように心配して一緒に探してくださいました。たくさんの方に協力していただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。ちらしには私の携帯番号を書きましたが、いたずら電話がかかることもなく、多くの人から「見たよ」と情報をいただき、ご近所の力を見直すことになりました。残念ながら、そのほとんどは猫違いだったのですが。

ご協力いただいた中でも、力強かったのが、プレシャスコーポレーションの野村さん。ペットの葬儀サービス会社の社長さんです。これまで何匹もの猫を見つけてきた方。仕事の合間に地域を歩き、猫の生態をよく知るプロの目で情報を集め、アドバイスし、励ましてくださいました。

はじめに野村さんから「手伝う」と声をかけていただいた時は、「葬儀だけでなく、ペット探しも事業にしておられるのかしら?(もしや営業…?)」とよくわからなくて、「ではお願いします」と即答してよいものか迷いました。 しかし、連日ミーを探し続けていろいろお話をするうちに、それが野村さんのボランティア、社会貢献活動なのだとわかりました。

「川畑さん、僕、いつも、なんでこんなことしてくれるんですか?って聞かれるんですよ。でも、心配しないでください。ペットで商売させてもらってる僕の社会貢献だと思ってやってるんです。以前は動物愛護団体に寄付していたこともあるんですが、納得できる団体が見つからなかった。それより、こうして自分にできることをした方がいいと思ってるんです」 「東京で有名なプロの探偵がどんな風に探すのか、何日か同行して勉強したこともあるんです。その探偵さんとは今もおつきあいがある。相談しながら探しますから」と誠実に話してくださいました。

私自身、報酬を得るための仕事でななく、一市民のボランティアとして、これまでいろんなことをしてきた経験があるので、野村さんの思いは理解できました。たとえば裁判員を経験した人に、「市民のボランティアとして裁判員の声を聞く活動をしている。ぜひ話を聞かせてほしい」とお願いしても、うさんくさいと思われて信用してもらえず、断られたことも多いです。そのような方は、公的機関などご自身が大丈夫と思えるところなら、お話されたりします。そういうことを思い出し、私が野村さんの好意をどう受け止めるのか戸惑ったのと同じように、私のやっていることを理解してもらえなかったのだなあと、断った方のお気持ちを、あらためて想像することができました。

そして、冒頭に書いたように、多くの猫好きの皆さんが、いろんな形でミーを探してくださいました。人は、心が動いて共感すれば、直接お願いをしなくても、自発的に動き始めるのだと、しみじみ実感しています。

NPOや市民活動の広報に関わる一人として、あらためて、伝えることについて考えた出来事でした。

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page